

平成24 年3月14 日衆議院財務金融委員会速記録(議事速報)
○海江田委員長
これより参考人に対する質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内孝胤君。
○木内委員
民主党、木内孝胤でございます。まず冒頭、参考人の皆様に、お忙しい中、財務金融委員会に御出席いただきましたことを深く感謝申し上げます。ありがとうございます。今回の事件、2月24日、私は新聞を見て初めて知りました。非常に大きなショックを受けております。
ショックを受けている理由、いろいろございますけれども、昨年、オリンパスの問題がございました。オリンパスの問題に関して、再発防止策ということで特別チームをつくりまして、そのメンバーを務めていたこと。それと、今、年金問題に非常に大きな焦点が当たっている中で、地元でも、本当に年金、将来もらえるのか、そのような非常に大きな不安がございます。そして、この不安を取り除くためにも、持続可能な社会保障を構築するためにも、今、消費税増税の問題、これは党内で非常に激しく議論をされているところでございます。きょうも午後3時から党内でいろいろ激しい議論があるかと思いますけれども、私は、この消費税の問題を話す前に、例えば年金運用の改革、過去2年間これを改革するべきではないかということを訴えてまいりました。
こうした中で、参考人お三方に同じ質問をさせていただきたいと存じます。
まず、この問題でございますけれども、私は、これは氷山の一角だというふうに捉えております。すなわち、これは構造的に起こるべくして起こってしまった問題。たまたまある詐欺師がいて、それにひっかかった個別の事案というよりも、構造的に起こってしまった問題ではないかという問題意識を持っております。これが一つございまして、皆様の御意見をお伺いしたいというのが一点。それともう一つは、この事件は未然に防ぐことができたのか否かということをお伺いしたいと思っております。といいますのは、こういう事件が起こった後にこれを防げたかと言うのは、私はフェアではないと思っております。しかしながら、お手元に参考資料をお配りしておりますけれども、「年金情報」2009年2月16日、これは、当時、投資顧問の人気ランキングなどをしましたところ、AIJは初登場一位という非常に話題をとっていた会社でございます。その中で、運用成績が余りにも不自然じゃないかということで、この「年金情報」にこうした記事が出まして、ここにはAIJという固有名詞は書いておりませんけれども、誰がどう見てもこれはAIJの記事だとわかるような内容になってございます。その結果として何が起こったか。一つには、その運用残高が、半年、一年かけてでございますけれども、急増していたところ、この記事をきっかけに大きく残高を減らしております。私は、この記事を見てもおかしいと感じずに対応しなかったというのは、それなりに責任があるのではないか、これは当然、政府も当局もということも含めてでございます。この事件があったときに、当時、理事長なりを務められていたわけではないと思いますけれども、これをおかしいと思う感度がなかったのかどうか、未然に防ぐことはできなかったのか、この二点についてお伺い申し上げます。
○岩間参考人
お答え申し上げます。先生御指摘の、まず、構造的なものなのかどうかということについては、まさに当局の検査が進んでおりますので、その結果を拝見して、どういうことなのかということを我々の立場でもしっかり考えていかなきゃいけないというぐあいに考えております。2009年の日経「年金情報」の記事についてでございますが、御質問で触れられた記事については、御説明のとおり、米国で発生いたしました_ この議事速報は正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。マドフ事件を受けて書かれたものであったと認識しております。
当協会といたしましては、一般論として申し上げれば、自主規制機関として自主規制業務を遂行する上で必要な情報の収集に努めております。また、金融庁とは日ごろから情報交換を適切に行い、リスクの存在や問題意識の共有を図るよう努めておる次第でございます。
○村瀬参考人
第1点目の質問でございますけれども、本質的な要因という観点からいいますと、やはり一般論ですが、バブル崩壊以降の日本株の低迷であるとかデフレ経済の長期化によりまして長期金利も低迷している、したがって、企業年金の運用利回りが目標収益率である予定利率を下回り、積み立て不足を抱えてしまったということは、問題のベースにあるんだろうというふうに思っております。一方、それに対する対応として、追加掛金の拠出というのは特に総合型ではなかなか難しいという問題もあるのではなかろうかと思います。
一方、2点目の御質問でございますけれども、「年金情報」等の記事は知っておりましたけれども、連合会としては特に対応をしてございません。一般論ですけれども、これも、伝聞でしか情報を知り得ない、直接取引のない運用機関等について、連合会のような団体が行政に働きかけるというのはなかなか難しい問題があるのではなかろうか、このように認識してございます。
○神戸参考人
当基金におけます今の御質問に対しましては、まず、選ぶに当たりまして、信託銀行から当基金に届いた時価報告が実際に虚偽の報告だったかどうかということが全くわかりません。いわゆる、信託銀行からいただいたものをずっと信じて、お手元のスキームにイメージしてございますが、そのような形で報告をいただいていましたので。ただ、商品については、情報を直接聞いたりして、それの判断に基づいて、裏づけとしては、その信託から来た時価報告を信じて今日まで来ていて、24日初めて知ったというのが実態です。
それからもう一点では、今のお話の続きになるわけでございますが、信託銀行から毎月報告される信託財産状況報告書というのが参ります。これは一般でいえば残高証明のようなものですから、我々は、銀行を信じないで、これを見て基金の状態を知るということでずっと来たわけでございますので、今顧みますと、このスキームに沿った報告をもっと疑うということはまず考えられなかったことでございますので、今日まで来てしまったということでございます。
○木内委員
御回答ありがとうございます。村瀬理事長に二つお伺いしたいと存じます。以前、社会保険庁の長官も務めていらっしゃったということで、企業年金連合会と双方を見ているというところでお伺いしたいんですが、厚生労働省と社会保険庁から600名を超える職員が年金基金に天下っております。先ほどの質問と関連するんですが、要は、こういうのがあってもそれに感づかない感度というのは、やはり資産運用のプロでない割合の人が幾ら何でも多過ぎるのではなかろうかという問題意識を持っております。それともう一つ。今回の事件にも、社保庁出身の石山さんという方が年金コンサルタントとして一定の役割を担っていたという報道がございます。事実関係がまだ確認できない中でのコメントは難しいかもしれませんけれども、いずれにしましても、一般論として、癒着構造、もたれ合いの構造、こうした原因を誘発しているのではなかろうかと思いますけれども、これについてどう思うかということが一つ。あともう一つは、もう既に再発防止策ということでいろいろな策が取り上げられております。これはまだ新聞報道ベースで具体策にはなっておりませんけれども、こうした事件が起きると、規制や監督を強化するという動きに当然なるわけでございますけれども、よくある傾向として、過剰に監督や規制を強化する。いろいろ今既に案が出ておりまして、その出ている案はもう一つの私の資料の方にも書かせていただいておりますけれども、現在取り上げられているような監督規制強化の方向性というのは、現場をよくごらんになっている理事長からしまして現場感があるものなのかどうか、そして、私は、ちょっと過剰な規制になりそうだなということで、その双方を心配しておるわけでございますけれども、その点についてお伺い申し上げます。
○村瀬参考人
今の先生の御質問にお答え申し上げます。まず第1点の問題でございますけれども、AIJの問題が社会保険庁のOBが就職した基金にどの程度影響があるのかということにつきましては、聞き及びますと、現在、厚生労働省として特別のプロジェクトチームをつくって徹底調査をしているというふうに聞いてございます。したがいまして、その調査を見きわめない限りにおいて軽々には物は言えない、このように考えている次第でございます。
一方、先ほどの規制の強化という観点でございますけれども、先生の御提案の再発防止の観点からいきますと、現在、年金を運用させていただいております連合会といたしましては、既に幾つか実施しているものはございます。したがって、可能なものは実施していきたいというふうに思いますけれども、先ほど先生御指摘のように、規制をかけ過ぎること自体が基金の存続を危うくするということにつながりますとやはり問題だと。そこはやはり冷静に考えて対応していく必要があるんじゃなかろうかというふうに考えております。
○木内委員
過去に、いろいろ事件とかスキャンダルが発生しますと、かつて建築基準法の改正のときですとか、あるいは今の消費者金融法、これも過剰に改正されたというふうに思っておりまして、ある意味の二次災害的にならぬよう、我々は、国民の声を聞いていろいろ厳しいことを今後も申し上げ続けますし、再発防止策等は申し上げますけれども、それが現場から見て違和感があるものであれば、積極的に、これはかえってマイナスではないかということについて声を上げていただきたいと思います。それと、岩間会長、神戸常務理事、お二人にお伺い申し上げます。世界最大のファンド、日本最大のファンド、これは企業年金ではございませんけれども、公的年金基金、GPIFでございます。これは残高110兆円、私はこの財務金融委員会でも以前同じような質問をしたことがあるわけでございますけれども、実は、このGPIFの体制というのは、理事長と理事が運用委員会の助言に基づいて基本ポートフォリオ等を決める、そのような体制になっております。しかしながら、理事長と理事、大変立派なお二人だとは存じておりますけれども、一方で、資産運用の経験が全くないという意味では、まさにこの企業年金さんの持っている構造を集約したような、凝縮したような、問題ある組織ではないかという問題意識を私は持っております。それで、一昨年は、厚生労働大臣そして総務大臣以下、検討会というのが10回開かれ、それに対する提言書というのも出されました。それから1年以上たっているにもかかわらず、その体制について何ら変更がありません。私は、こういう改革がおくれていることと、消費税の話を結びつけるのはちょっと無理筋かなという気がする一方で、この改革をきっちり推し進めて、例えば、110兆円の公的年金基金、これは予定利率の5、5%で運用すれば、10年後には188兆円になります。あるいは、彼らが目標としております4、1%で運用すれば、110兆円は164兆円になる。こうした改革に手をつけずに先に消費税を増税するということに関して、非常に大きな抵抗感を今私は持っておるわけでございます。
こうした中で、岩間会長にお伺いしたいのでございますけれども、このGPIFの体制について、外から見ていて大丈夫かと、人の組織についてコメントしづらいという点はあろうかとは思いますけれども、私はこの組織は非常に問題だと思っておりまして、その点について御意見があれば教えていただければと思います。
○岩間参考人
お答えいたします。ただ、議員御指摘のとおり、よそ様のお話でございます。実際にGPIF様でも、今御指摘のとおり、いろいろな問題点を御検討されておられることだと思いますので。私は、先ほどの、財政と社会保障、年金の関係という方に、多分、国の年金でございますから絡んでこられるということで、そういった大きな問題が今検討される中で今後どういうぐあいにしていったらいいかということについて、広くいろいろ御検討になるという状況なのではないかと想像いたします。
運用の面で申し上げれば、運用をいかにするかということについても非常に真剣に議論がされておられると思っておりますので、私としましては、そういう状況をよく拝見した上で、私どもの方で何かお役に立つことがございますれば、それは積極的にお受けして検討させていただくなり御相談させていただくということだと思っております。
○神戸参考人
我々は、傘下といいますか、会員でもありますから、今我々が運用を考えるときには、やはりそれに勝つようなものをということで商品を選ぶわけですね。ですから、どうしてもハイリスク・ハイリターンという形をとってきたということでございます。しかし、今の制度の中では、各基金ともそれに勝つためにやる。そうでないと指定基金ということになりまして、先ほどもお話になりましたように、掛金とかそういうものに影響してしまいます。これは、中小企業の方々または従業員の方々に迷惑をかけるということから、超えるという目標のために今までもやってきたということで、このあり方といいますと、これは制度、国のことでございますので、それに従ってきているということで、一基金としてはちょっとコメントしにくうございます。
○木内委員
コメント、ありがとうございます。時間も押しておりますので、最後にメッセージが三つございます。
一つは、先ほどの、過剰な規制は回避するべきであるということが一つ。
二つ目には、年金制度については、かなり多くの方が制度なりを研究する割に、運用サイドになると、自分は金融を、実務をやったことがないからとかさまざまな理由で、割と運用サイドに目を背ける傾向があると考えております。そこの論点整理というのを、過去の歴史、こうしたものも踏まえて、別に金融の経験があるなしにかかわらず、運用サイドにも、ぜひ全ての議員、財務金融委員会の場合は非常にそちらに目が向いているかと思うわけでございますけれども、ほかの委員会なんかを聞きますと、本当に状況を理解していないケースが多いので、これは一つ申し上げたいと思っております。
先ほど、4、1%などで回せるのかというようなコメントもちょっと聞こえてきたものですから、一言申し上げたいと思いますけれども、私も、今の金融環境で4、1%で回せると到底思えません。きのうも、おとといも金融政策決定会合がございました。山本幸三先生の激しい1時間半の質問に対して、2兆円という回答は、幾ら何でも小さ過ぎると私は思っております。こんなデフレを容認している状況の中で4、1というのは難しいと思いますが、もし2%から3%程度のインフレ率が実現できるのであれば、私は、4%程度の運用利回りは十分確保可能だと思っております。いずれにしましても、私の思い、論点をメモの方にも書かせていただきました。ぜひ、資産運用のことをしっかりと受けとめていただき、これも真面目に取り組んでいただきたい。そして、参考人の皆様には、今後いろいろ大変かと思いますけれども、政府の方も、国の方も一生懸命バックアップしてまいりたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
本日は、どうもありがとうございました。